近年、日本酒ブームと言われていますが「ビールやワインは好きだけど日本酒はちょっと … 」という人はまだまだ少なくないようです。
かく言う私も、当初は日本酒の匂いがどうにも苦手で敬遠していました。
その後、友人に勧められた日本酒を飲んでみたところ、その飲みやすさに驚き、今ではワインと同じくらい口にするようになりましたが、初めて口にする物の味や質は大事ですね。
今回は日本酒初心者さん向けに、日本酒選びのポイントとおすすめの銘柄をご紹介していきます。
アルコール度数の低めの日本酒を選ぶ
種類 | アルコール度数 |
---|---|
ビール | 約5% |
ハイボール | 約7% |
シャンパン | 約12% |
ワイン | 約12% |
日本酒 | 約15% |
焼酎 | 約25% |
ブランデー等 | 40%以上 |
日本酒はその他のアルコール飲料に比べてアルコール度数が高めと言えるでしょう。
焼酎は日本酒に比べ更にアルコール度数が高いですが、お水やお湯、ソーダ、ジュースなどで割る事で、飲みやすくアレンジする事が出来ますが、日本酒はストレートで飲む事が多い為、普段、ビールや水割りなどを好んで飲んでいる人は、アルコール度数が低めの日本酒を選ぶといいでしょう。
また、日本酒を飲む時にウイスキーと同じようにチェイサーを用意するのもお勧めです。チェイサーとはアルコール度数が高いお酒と一緒に飲むお水の事ですが、日本酒の場合はこれを「和らぎ水(やわらぎみず)」と言います。
お酒を飲む合間に、適度な量のお水を飲むことで、体への負担を減らしながらお酒を長く楽しむ事ができるので是非、やってみてください。
純米酒がおすすめ
「日本酒の匂いが苦手」という人が感じる、この「匂い」ですが、多くの場合は「醸造アルコール」の匂いでしょう。
醸造アルコールは日本酒を作るときに品質を安定させるために添加するもので、種類で言うと「吟醸酒」「大吟醸酒」「本醸造酒」や「特別本醸造酒」等に含まれています。反対に「純米吟醸酒」 「純米大吟醸酒」 「特別純米酒」「純米酒」と、純米とつく種類の日本酒には含まれていません。
ラベルを見れば醸造アルコールが使用されているかどうかが分かるので確認してみるといいでしょう。
純米酒はお米と麹だけで作られているため、お米のふくよかさを感じられる日本酒となります。
精米歩合の低い日本酒を選ぶ
精米歩合とは、お酒の原料となる酒米の外側を磨き落とし、残った中心部分の割合をいいます。
精米歩合い30%であれば70%を磨き落とす事を言い、精米歩合が低いほどお酒になった時に雑味の元となるたんぱく質が少なくなるため、すっきり、フルーティーな味わいになるのです。
この精米歩合は価格に大きく影響をし、20%~30%のようなお酒は高級酒となります。
甘口、辛口を示す「日本酒度」にも注目
日本酒は大きく甘口と辛口の2種類に分類できます。これを示す指標が「日本酒度」で、数値が小さいほど糖分が多く甘口に、大きくなるほど糖分が少なく辛口となります。
日本酒初心者の人は一般的に「甘口」の方が飲みやすい傾向にあるので、迷った場合には目安にするといいでしょう。
日本酒度はラベルに数値で表記されている場合もありますが、数値ではなく「甘口」や「やや辛口」などと表記されている場合もあります。

冷酒で飲んでみよう
日本酒は幅広い温度変化を楽しむ事ができる、珍しいお酒です。
夏はきりりと冷やして飲んだり、冬はお燗にして飲むと、また違った香りやまろやかさを楽しむ事が出来るのも日本酒の醍醐味です。
季節や合わせる食事によって美味しいと感じる温度が違うかもしれませんが、初心者はまず冷やして飲む事をおすすめします。
アルコールなので温めると、良くも悪くも匂い(香り)が立ちますが、冷やす事で匂いが抑えられ、爽快感がまして飲みやすくなるのです。
また、氷を浮かべてロックで飲む事もお勧めです。氷が解けて適度にアルコール度数が下がり、体への負担も抑える事ができます。
ラベルにはそのお酒のおすすめの温度が記載されているものが多くありますので、参考にしてみてください。
初心者におすすめの銘柄
初心者向けと言ってもその味覚は人によって大きくことなりますし、普段から他のお酒をよくたしなむ人とそうで無い人とでは味わいの感じ方も千差万別です。
あくまでもおすすめではありますが、メーカーも初心者に楽しんでもらえる様な日本酒をこぞって販売していますので、それらを中心に紹介します。
SHUSHU Light (シュシュライト)

種類:純米酒
アルコール度数:8.5度
日本酒度:-23.0
飲みごろ温度:10℃(花冷え)
タイプ:軽快でなめらかなタイプ(爽酒)
香り:穏やか
味わい:さらり
製造元:沢の鶴
出典:沢の鶴株式会社(メーカーホームページ)
製造元である沢の鶴さんが「沢の鶴史上最も飲みやすい純米酒」とうたっている、低アルコールが特徴の日本酒です。
飲みやすさに拘った「SHUSHU Light」は180mlで330円と、手を出しやすサイズと価格でまさに日本酒初心者におすすめの一本と言えるでしょう。
獺祭 (だっさい / Dassai) 純米大吟醸45

種類:純米大吟醸
アルコール度数:16度
日本酒度:非公開
原料米:山田錦
精米歩合:45%
香り:穏やか
味わい:中辛口・フルーティ
製造元:旭酒造
フルーティーな味わいで知られる「獺祭」は日本国内のみならず、世界各地で楽しまれています。
酒米の王様「山田錦」を丁寧に磨き上げ、造られたその味わいは、口当たりがなめらかで甘みと旨味のバランスがよく、初心者にも飲みやくおすすめです。720mlで1700円程で販売されていますので手を出しやすい価格ですね。
獺祭にはこの他にもたくさんのバリエーションがあり、精米歩合が23%のものもあります。精米歩合が低いほど雑味が無く、すっきりと飲みやすい日本酒となります。少々高価になりますが余裕がある人は是非飲み比べてみてください。
北雪YK35 (ほくせつYK35 / Hokusetsu YK35)

種類:大吟醸酒
アルコール度数:16度
日本酒度:+4
原料米:山田錦
精米歩合:35%
香り:繊細で深みのある味わい
製造元:北雪酒造
出典:株式会社北雪酒造(メーカーホームページ)
こちらも海外で高い評価を得ている、洗練された味わいが人気の大吟醸酒です。
様々な地域の人に人気なだけあり、初心者にも飲みやすいおすすめの一本です。
多くの日本酒のコンテストで入賞実績があり、2021年にも「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2021」プレミアム大吟醸部門で金賞を受賞しています。720mlで5000円と少々高級ですが繊細で深みのある味わいの最高級の日本酒をワイングラスでゆっくり楽しみたいものですね。
上善如水 (じょうぜんみずのごとし / Jyouzenmizunogotoshi) 純米吟醸

種類:純米吟醸酒
アルコール度数:14度以上15度未満
日本酒度:+4
原料米:米(国産)
精米歩合:55%
香り:華やか
味わい:すっきり
おすすめの飲み方:冷やして
製造元:白瀧酒造
出典:白瀧酒造株式会社(メーカーホームページ)
まさに日本酒初心者でも「これならいけそう!」と思わさせるネーミングですね。
クリアでオリジナリティのある瓶、ラベルも文字も中のお酒が水の様にスッと入ってくる、やさしい飲み口である事を物語っています。
蔵元の白瀧酒造さんは1980年代から1990年代の淡麗辛口が主流の時代に、この「上善如水」を造り出し、「フルーティー」で「スッキリした飲み口」の日本酒をブレイクさせました。 「上善如水」 はいろいろなバリエーションがありますが、どれも初心者におすすめの飲みやすい日本酒になっています。
澪 (みお / mio)スパークリング清酒

種類:日本酒 (発泡性)
アルコール度数:5度
日本酒度:-70
原料米:米(国産)
味わい:ほのかな甘みと、ほどよい酸味
おすすめの飲み方:冷やして
製造元:宝酒造
出典:宝酒造株式会社(メーカーホームページ)
最後にご紹介するのはシュワシュワとした飲み口と低アルコールで、日本酒初心者だけでなく、お酒が初心者の人にもおすすめの「 澪 スパークリング清酒」です。「シャンパンやスパークリングワインは好きだけど日本酒は飲んだことが無い」という人は是非、スパークリング日本酒を日本酒の入門として試してみてください。
また、この「澪」にはフローズンタイプの「みぞれ酒」もラインナップされていますので、スイーツ感覚で日本酒を楽しんでみるのもいいかもしれません。
先に紹介した獺祭や上善如水、その他にもスパークリングタイプの日本酒は色々なメーカーから発売されています。銘柄によってアルコール度数や日本酒度に幅がありますので選ぶ際のポイントにしてください。
最近では様々なアレンジで日本酒を楽しむ人も増えてきています。
日本酒をまだ飲んだ事が無い人や、一度飲んでみたがどうも合わない,,,と、日本酒を敬遠していた人もこれらを参考に是非、日本酒にチャレンジしてみてくださいね。