60年代に撮られた金閣寺をAIカラー化したら何色になる?【Photo Shop ニューラルフィルター】

Photo Shopが2022年版へとアップデートされ、新たな機能「ニューラルフィルター」が使えるようになりました。

今回はその中にある「カラー化」機能を使って、1960年代に白黒写真で撮られた古き良き日本の風景をカラー写真へリニューアルできるのか、チャレンジしてみました。

目次

Photo Shopのニューラルフィルターってなに?

瀬戸大橋
[スタイルの適用]機能で瀬戸大橋も絵画風に早変わり

ニューラルフィルターとは、AIの機械学習を活用し、画像を編集・加工できるもの。先日、Photo Shopの最新版へと実装された注目機能です。

これにより、写真の撮影時間帯(日の差し込み方)を変えたり、人物写真の背景にぼかしを加えて後からポートレート風したり、すっぴん写真をメイク後の映え写真へ変えてしまったりと、プロレベルのレタッチ技術がわずか数クリックで完了できるようになりました。

ニューラルフィルター機能一覧

  • 肌をスムーズに
  • JPEG のノイズを削除
  • スタイルの適用
  • スーパーズーム
  • カラー化
  • スマートポートレイト[β版]
  • メイクアップを適用[β版]
  • 深度ぼかし[β版]
  • 風景ミキサー[β版]
  • カラーの適用[β版]
  • 調和[β版]

実装されたニューラルフィルターの機能は、ベータ版のものを含めると全部で11種類に及び、AIの発展を感じさせてくれるものばかりです。

中でも実在写真の光の差し込み方、季節、スタイルを一新させてしまう「風景ミキサー」機能は、都会的な写真を簡単に緑豊かなものへと変えられるため、SNSなどで大きな話題となっています。

浅草雷門
浅草・雷門も……
浅草雷門
[風景ミキサー]を少しいじるだけでこの通り

細かいディティールを見ていくとまだまだ荒が目立ちます。しかし、そもそも「風景ミキサー」はベータ版の扱いで、言わばお試し機能です。ブラッシュアップ作業には人の手が必要となりますが、作業のとっかかりには十分な機能ではないでしょうか。


白黒写真を「カラー化」してみよう

今回はニューラルフィルター内の「カラー化」機能を使っていきます。
モノクロ写真のオブジェクトを解析し、あたかもカラー写真だったかのように色味情報を付与してくれるとのことですが、AIの精度がどんなものかを試してみましょう。

素材に使ったのは、筆者の幼少期の写真。
お祭りの景品でもらった、“階段をひとりでに降りるバネ”を首に巻いています。

さて、この写真の色味情報を抜いて白黒写真に変換し、その後にカラー化を行います。

色味情報を抜いたもの(写真左) / AIでカラー化でしたもの(右)

白黒写真からカラー化作業は、なんと1クリックで完了!
人肌はしっかりとした肌色に、机やタンスは茶色へと復元されています。

シャツの色、カーテンの色に違いこそあれど、かなりの精度で再現できていることがわかります。
特に驚いたのが、机奥に置かれている赤色の鉛筆削りが、しっかりと再現されていること。AI恐るべし……。

60年代に撮られた金閣寺は「AIカラー化」で何色になるのか

リアルな白黒写真でカラー化を試そうと、昔の白黒写真を漁っていたら、60年代中頃に父が撮った京都・金閣寺の写真が見つかりました。

金閣寺

金閣寺の写真を撮ろうとした際の、お馴染みな画角とはちょっと違いますね。
一階部分が白壁で、池へとせり出している舟屋が写真右に見えているので、ちょうど反対側からの写真でしょうか。

金閣寺(山荘北山殿)は、足利義満が1397年に建てた別荘です。当時の建物は、1950年に見習い僧侶だった学生に放火され、全焼してしまったため残っておらず、今日見られる金閣寺は1955年に再建されたものです。撮影された時期的にこの写真は、再建後数年しか経っていない金閣寺という事ですね。

せっかく金閣寺の写真なのに、白黒写真では少し寂しい気もします。
この白黒写真に「カラー化」処理を施したら、AIは金閣寺を何色と判断するのでしょうか?

金閣寺

AIはしっかり金閣寺が金色だと理解していた!

空は青く、手前の木々は緑色に……、そして何より金閣寺が金色に彩色されているではありませんか。
写真の水面部分はオレンジ色に色付けされていますが、金閣寺が写り込んでいると解釈するようにしましょう。
それにしても恐るべしAIの技術。

AIだって正解の色がわからない時もある

金閣寺の色味が見事綺麗に再現でき、AIの進化とその精度に驚かされましたが、アルバムにはもう1枚再現してみたい白黒写真残されています。

阿蘇米塚

こちらは金閣寺の写真から数年後に、母が撮影した写真。

熊本・阿蘇外輪山の中にある、お椀を逆さに被せた様な形が特徴的な“米塚”です。
約3300年前の噴火で出来たと言われる米塚は、柔らかな草原に覆われており春から夏にかけては青々とした新緑に包まれるスポットです。

昨今では登山客の踏み荒らしが問題となり登山は禁止。撮影当時は登れたのでしょうか。

その米塚の写真にカラー化処理を施してみると、なんとも不思議な世界観が現れました。

阿蘇米塚

右半分のカラーはうまく再現ができているのですが、左側は夕暮れ時の様にオレンジ色に染まっています。まるで異なる時間帯が共存しているかのようで、これはこれでありなのかも……?と感じさえします。

金閣寺の写真でも、下側の判定があいまいな部分はオレンジ色が強調されていましたが、同じ現象なのかもしれません。

これで完成としてもいいのですが、カラー化機能ではイメージと異なっている部分を選択し、正解の色味を指示してあげることができます。

阿蘇米塚

夕暮れ時だった空は青空に、道路は舗装されたばかりのような新鮮な黒色に変わり、春を感じさせる綺麗な写真ができ上がりました。

ここまでの作業は約10分ほど。

少し残念なのが、空と雲の境界があいまいすぎて、単一選択ができなかったこと。しかたなく青空で統一しましたが、どうしても気になるのなら、ここからさらにフリーハンドで追い込んで行けばいいだけです。

自分が正解だと感じる色味をAIに教えてあげるだけで、難しい作業などはなく、カラー写真が簡単に完成しました。


写真は大事な思い出。
白黒写真のままでも時代が感じられていいですが、カラー化を行うと当時の思い出がそのまま現代に蘇る様でいいですね。(母親談)

また今回の記事を作るにあたって、さまざまな白黒を探したのですが家に風景写真が全然ない。
スマホや自宅プリンターが普及する前は、カメラ屋さんに写真を現像して貰いに行くのが当たり前だったことを思い出しました。

少しでも気になったら何でも写真に残しておける今の時代は、昔に比べたらとても恵まれているのかもしれませんね。

※本記事に掲載されている内容や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認ください。
また、内容に関する修正のご依頼はこちらよりお願いいたします。

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