「今年の酉の市は、珍しいことに3回もあります!」
こう聞いて、いまいちピンときていない方も多いのではないでしょうか。
商売繁盛のご利益があるとされる “酉の市”。お祭りの存在は知っていても、その歴史や、実施日など、詳しく知れる機会って少ないですよね。
特に今年の酉の市は、コロナが落ち着いてきたこともあって出店がたくさん立ち並ぶ、いつもの祭り情緒が戻ってきそう!(神社によります)
一回目の酉の日まで間近に迫っているため、この記事読んで酉の日に備えましょう!
江戸の風物詩 酉の市とは

酉の市とは毎年11月の酉の日に、鷲神社や大鳥神社など、鷲や鳥にちなんだ名称が付く社寺で行われる行事のことです。
歴史を遡ると、もともと酉の市は足立区花畑にある大鷲神社で行われていた、農民達による秋の収穫祭でした (諸説あり)。
江戸時代の文献にも酉の市についての記述が登場しており、庶民に広く受け入れられていたことがわかります。
現在の酉の市は、神様へ1年の無事に過ごせたことを報告すると共に、翌年の幸福を祈願する場となっており、また派手な細工が施された“熊手”が購入できます。
この熊手は開運招福・商売繁盛にあやかれる縁起物とされており、毎年多くの方々がこの熊手を目当てに訪れるほどです。
2022年の酉の市はいつ行われるか

2021年は丑年、2022年のは寅年、2023年は卯年……と、毎年の干支はご存知かと思いますが、毎日の日付にも干支が当てられています。酉の日とはその名の通り、12日で1度巡ってくる “酉”の1日のことを言います。
12日で1巡するため、年によっては11月に酉の日が3日あるなんて日も。
その場合は、11月最初の酉の日を“一の酉”、2番目を“二の酉”、3番目を“三の酉”と言い表し、酉の市も月の間に3回行われます。(2022年は“三の酉”の年です)
2022年以降の、毎年11月の酉の日は下記となります。
- 2022年 (令和4年)
11月4日(金)、16日(水)、28日(月) - 2023年(令和5年)
11月11日(土)、23日(木・祝) - 2024年 (令和6年)
11月5日(火)、17日(日)、29日(金) - 2025年 (令和7年)
11月12日(水)、24日(月・祝) - 2026年 (令和8年)
11月7日(土)、19日(木) - 2027年 (令和9年)
11月2日(火)、14日(日)、26日(金) - 2028年 (令和10年)
11月8日(水)、20日(月)
酉の市で見かける縁起物の“熊手”。その意味や由来は?

酉の市へ出かけるとまず気づくのが、所狭しと置かれた豪華絢爛な熊手ではないでしょうか。
この熊手には “幸運をかき込む”や “金運を集める”と言った意味が込められており、商売人には欠かせない縁起物として扱われています。
そのため、酉の市で見られる熊手には、七福神、松竹梅、大判小判といった縁起が良いとされる装飾が多数施されており、細工の数、サイズによって価格も様々です。
本来の熊手は落ち葉などをかき集めるための道具ですが、そこに古代日本人たちの洒落が込められ、次第に縁起物へ発展していったのだとか。
熊手は商売繁盛の縁起物!最大級のご利益にあやかる秘訣とは
年を追う毎にサイズ大きい熊手を買っていくのが商売繁盛に繋がって、縁起が良いとされています。そして前述の通り、細工の数や大きさによって高くなる熊手は、価格が10万円以上となる場合も珍しくありません。
自分の懐事情を数年先まで想定して、はじめの1つを買うのがいいでしょう。
酉の市で有名な神社はここ!

酉の市の歴史やご利益などをご紹介してきたため、皆さんも幸運・金運UPのため行きたくなってきたのではないでしょうか。
また熊手を目的としなくとも、コロナが落ち着いてきた今年は神社によっては飲食を扱う出店も並ぶ予定だそうです。
ここでは“江戸三大酉の市 (関東三大酉の市)”にも数えられている3社をはじめ、酉の市で人気の神社などをご紹介していきますので、是非お出かけ時に参考にしてみてください。
浅草 鷲神社【江戸三大酉の市】

東京メトロ日比谷線の入谷駅、三ノ輪駅から歩いて10分ほどの鷲神社 (おおとりじんじゃ)は、地元住民には「おとりさま」の愛称で親しまれ、酉の市の起源とも言われている神社です。
鷲神社の酉の市については、約200年前に刊行された、江戸および近郊の年中行事をまとめた“東都歳時記 (とうとさいじき)”にも書かれており、宝暦・明和年間(1750年~60年)の頃には、すでに相当な賑わいを見せていたようです。
酉の市の当日は、午前0時に打ち鳴らされる “一番太鼓”の合図で祭りが始まり、終日行われるため、酉の市を初めて体感したいという方はまずここへ行くのがいいでしょう。
名称
浅草 鷲神社 (おとりさま)
住所 [Google Map]
〒111-0031 東京都台東区千束3丁目18−7
開催時間
0:00~24:00
駐車場
参拝者用駐車場あり
公式サイト
https://otorisama.or.jp/
東京新宿鎮座 花園神社【江戸三大酉の市】

花園神社へは都営新宿線の新宿三丁目駅から徒歩5分ほどで行くことができます。“木を隠すなら森の中”との言い回しがありますが、境内に植わる緑深い木々は、新宿ビル郡の中では迷彩の役割をまったく果たしていません。遠くからでもひときわ目立って見えることでしょう。
花園神社の酉の市は明治時代に始まったもので、毎年60万人もの人々が訪れる、師走を迎える街に欠かせない、秋の風物詩となっています。
名称
東京新宿鎮座 花園神社
住所 [Google Map]
〒160-0022 東京都新宿区新宿5-17-3
公式サイト
http://www.hanazono-jinja.or.jp/
大國魂神社【江戸三大酉の市】

23区から少し離れた府中市にある、武蔵国の一之宮から六之宮までを合わせ祀る大國魂神社でも、酉の市が催されます。大國魂神社と言えば、歴史ある大祭の「くらやみ祭」が有名ですが、酉の市でも有名であり、江戸三大酉の市の1社にも数えられているほどです。
全長約500mの長い参道には、華やかな出店が建ち並ぶので、都心部の酉の市とはまた違った祭りを楽しめます。
名称
大國魂神社
住所 [Google Map]
〒183-0023 東京都府中市宮町3丁目1
開門時間
6:30~21:00
熊手市・露天商
9:00~21:00
駐車場
参拝者駐車場あり
公式サイト
https://www.ookunitamajinja.or.jp/
その他の情報
2022年は3年ぶりに熊手商・露天商が境内に立ち並びます。
江戸三大酉の市に数えられる3社をご紹介しました。
しかし、江戸三大酉の市に引けを取らない、酉の市で有名な神社はまだまだあります。
東京四谷総鎮守 須賀神社

名称
東京四谷総鎮守 須賀神社
住所 [Google Map]
〒160-0018 東京都新宿区須賀町5
駐車場
あり
公式サイト
https://sugajinjya.or.jp/

ちなみにここ須賀神社は、2016年に公開された新海誠作品「君の名は」で、キービジュアルとして登場しました。
アニメファンは酉の市と合わせて巡ってみるのもいいですね。
練馬大鳥神社
名称
練馬大鳥神社
住所 [Google Map]
〒176-0012 東京都練馬区豊玉北5丁目18−14
公式サイト
http://torinoichi.info/torinoichi/
その他の情報
2022年は露天商出店を行う予定です。
新型コロナウイルス感染予防のため、路上での飲食はご遠慮ください。
金刀比羅大鷲神社
名称
金刀比羅大鷲神社
住所 [Google Map]
〒232-0021 神奈川県横浜市南区真金町1丁目3
公式サイト
https://yokohama-torinoichi.jimdofree.com/

商売繁盛にご利益のある酉の市について、その歴史から祭りを実施している有名な神社などをご紹介しました。
今年はコロナが落ち着いてきたこともあり、数年ぶりに出店が立ち並ぶ、活気ある酉の市が楽しめそうですね。
金運・幸運を授かるためにも、都合を付けて酉の日に神社へ足を運んではいかがでしょう。