世界の料理人が絶賛する包丁を生む日本の三大刃物産地を知っていますか?

日本刀や包丁など、すさまじい切れ味と美しさで世界中の人を魅了する日本の鍛冶技術。
中でも大阪の堺市・新潟の三条市・岐阜の関市は、日本三大刃物産地として知られています。
今回はそれぞれの地域の刃物の歴史と特徴をわかりやすく解説します。
あわせて、おすすめの包丁ブランドもご紹介するので包丁選びの参考にしてください。

目次

堺の包丁はなぜ有名なのか?その歴史とは

大阪府の堺は刃物の三大産地として有名な地域です。
もともと古墳を作るための道具の製造に、鉄の加工技術が伝わったとされており、5世紀の古墳時代中期にまでその歴史は遡ります。
その後、平安時代末期になると刀の製造が盛んになり、安土桃山時代になるとポルトガル人によって鉄砲が伝わり、その後国内での製造地として堺は有名になります。
また、その技術力の高さを徳川幕府が認め「堺極 (さかいきわめ)」という極印を入れ、全国で販売することになったほどでした。これにより、堺の刃物は全国的に有名になりました。

堺で製造される堺打刃物 (さかいうちはもの)の特徴

堺で製造される堺打刃物は、プロが使用する包丁の90%近くを占めるほど、絶大な支持を受けています。
その特徴は、両刃に比べ切れ味の鋭い片刃の包丁が主流であること。
魚など柔らかい食材でもスパッと切れるため、断面が荒れることなく旨味や食感を損なうことがありません。
この特徴こそがプロの料理人から支持される理由のひとつでしょう。

堺の包丁おすすめブランド

實光刃物 (じっこうはもの)

實光刃物は1900年 (明治33年)創業の老舗です。
手仕事にこだわった包丁の良さはもちろん。柄の交換や修理など、手厚いアフターサービスも人気のポイント。
プロ用から家庭用まで幅広い包丁をラインナップしています。

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堺包丁の通販 實光刃物(じっこうはもの) 明治33年創業の包丁専門店 明治33年創業、堺包丁の専門店「實光刃物」は和包丁の出刃包丁、刺身包丁から両刃包丁・洋包丁の牛刀包丁、筋引包丁、家庭用包丁の三徳包丁(万能包丁)をプロ仕様から家庭用...

青木刃物製作所

認定された伝統工芸士を多く抱え、堺打刃物600年の歴史を繋ぐ青木刃物製作所。
和、洋、中華、そば、製菓用など、様々なジャンルの包丁を揃えています。

あわせて読みたい

堺刀司(さかいとうじ)

1805年 (文化2年)・江戸時代に創業した堺刀司の包丁は、和の鉄人・道場六三郎氏や中華の鉄人・周富徳氏など、多くの著名な料理人にも愛用される逸品です。

堺刀司オンラインショップ
文化二年創業 堺刀司オンラインショップ(堺包丁の通販) 創業文化二年。堺包丁・調理器具の総合通販の「堺刀司オンラインショップ」。世界に誇る鍛冶の技術や、鍛え抜かれた職人の技で多くのプロに選ばれております。最上の切れ味...

三条の包丁はなぜ有名なのか?その歴史とは

新潟県の三条市も、刃物の名産地としてその名が挙がる地域のひとつです。
昔から農業が盛んな地域であり、江戸時代から鎌 (かま)や鋤 (すき)など農具の製造が盛んでした。
また、豪雪地帯でもあるため冬季の副業として和釘作りが行われ、鍛冶技術が広域に広まり、徐々に包丁など刃物の製造もされるようになったのです。

三条で製造される越後三条打刃物 (えちごさんじょううちはもの)の特徴

越後三条打刃物を語るうえで欠かせないのが、高度な鍛造技術があります。
鍛造 (たんぞう)とは、熱した金属を叩いて製造する技術のことで、皆さんもテレビや映画などで刀鍛冶が金づちで鉄を叩いて刀を作るシーンを見たことがあるのではないでしょうか。
この鍛造で作られた刃物は硬さと粘り強さを兼ね備えたものになり、研いで使用すれば切れ味を保つことが出来ます。
また、用途によって刃の厚みや使用する材質を変えるなど、細部までこだわった方法で製造されています。

三条の包丁おすすめブランド

義平刃物

五代続く義平刃物は伝統の鍛造技術で包丁を制作しています。
最高の素材と技術で造られる包丁は一生ものとして愛用できるでしょう。

あわせて読みたい
~おいしい料理は庖丁から 越後・三条の包丁鍛冶 義平刃物~ 刃物の産地、新潟県三条市で「良く切れて、使い勝手の良い庖丁」を製作しています。

藤次郎株式会社

藤次郎株式会社の歴史は比較的新しく1953年に農機具メーカーとして創業しました。
その後包丁など刃物の製造に着手し高い技術力で海外でも賞を受賞するなど、勢いのあるメーカーです。

燕三条製包丁の藤次郎株式会社|TO...
燕三条製包丁の藤次郎株式会社|TOJIRO JAPAN 新潟県燕市にある包丁専門の製造メーカーです。ダマスカス包丁など豊富なラインナップを取り揃えております。刃物メーカーとしては国内屈指のオープンファクトリーを展開し...

堺打刃物では、素材として銅を使用しています。鋼は固いため切味が良く、長続きする特徴があります。また、研ぎやすいのも魅力的です。ただし錆びやすいというデメリットがあるため、近年は異素材を混ぜて製造することもあります。堺打刃物の場合、鋼のみを材料とする本焼包丁もあり、プロの調理人を中心に活用されています。本焼の場合、包丁に模様を浮かばせる技法が取り入れているものもあり、単調になりがちな包丁に良いアクセントを与えているのも魅力的です。鋼の包丁は使用後に水気を拭き取らないと錆びてしまうなどメンテナンスに人一倍苦労しますが、それを差し引いても使い続けたいと思わせる魅力を持ち合わせています。

関の包丁はなぜ有名なのか?その歴史とは

岐阜県関市の鍛冶の歴史は、伝説の刀工「元重」が九州から関に移住してきたのが始まりとされています。
また、刃物の製造に使用する土や炭、津保川の良質な水があったことから、多くの刀匠が集まってきたことで、関が刀鍛冶の地として有名になっていきました。
関市は世界的にも刃物の街と知られ、ドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェリンガムと並び「世界三大刃物産地」として注目されています。

関で製造される関打刃物 (せきうちはもの)の特徴

刀鍛冶で磨かれた技術が色濃く残る関打刃物は、切れ味の鋭さと刃こぼれしない強さが特徴です。
また、使用する素材には純度の高い鋼を使用しており、錆びにくく切れ味がなかなか落ちないなど、使用する素材の質が非常に高いのも関の刃物の特徴と言えるでしょう。

関の包丁おすすめブランド

関虎徹

安田刃物が製造する包丁ブランドが関虎徹です。
コストパフォーマンスに優れる製品が多く、家庭用の包丁をお探しなら選んで間違いないブランドのひとつでしょう。

安田刃物

関孫六

関孫六は岐阜県関市で創業した貝印の包丁ブランドです。
「折れず、曲がらず、よく切れる」を信念に、関の刀鍛冶の伝統を現代の刃物づくりに継承しています。

関孫六ブランドサイト
関孫六ブランドサイト 貝印の包丁、調理、身だしなみ用品「関孫六」のブランドサイト。受け継がれる、名刀の業と心。伝統から生まれたこだわりの製品です。

堺・燕三条・関、それぞれの刃物の歴史と特徴をご紹介いたしました。
包丁は毎日料理で使用するものですから、一丁良い物を持っていれば生活の質が向上しそうですね。
私も次に包丁を買うときは、日本三大刃物産地の良い包丁を選びたいと思います。

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