普通の日本酒と何が違うの? 超高級日本酒を知る

近年の日本酒ブームでは、プレミアム日本酒や品質の高い高級な日本酒が好まれる傾向にあります。
海外への輸出を見ても、輸出量より輸出金額が大きく伸びており、国外でも高価な日本酒に注目が集まっています。

日常で楽しむ日本酒の価格帯は2,500円から4,000円程が中心ですが、高級酒と呼ばれるものには1万円をこえるものも少なくありません。

高価な日本酒は飲みやすく、ついつい飲み過ぎてしまいがちですが、この「高級な日本酒」は、普通の日本酒と比べて何が違うのでしょう?

「いい素材を使って、手間暇をかけて作り上げる」
高級品と呼ばれる物がここから生み出される事は日本酒も変わりありません。

ここでは、高級酒と一般的な日本酒との素材や醸造方法の違いと、人気の高級銘柄をご紹介していきます。

目次

高級酒に使用される酒米の代表「山田錦」(Yamadanishiki)

日本酒の主な原料はお米ですが、酒造りに使用されるお米の事を「酒米」と言います。
酒米は全国各地で生産されており、おおむね100種類程ありますが、その酒米を代表する品種が兵庫県を産地とする「山田錦」です。

普通酒から高級酒まで、全国で圧倒的なシェアを誇り、「酒米の王様」と呼ばれるほど、美味しいお酒造りには欠かせない酒米で、栽培地は全国各地に広がっていますが、その中でも兵庫県産の山田錦は別格の品質とされています。

酒米の品種だけで日本酒の味わいが決まるわけではありませんが、山田錦を使った日本酒は「米の旨味」「甘み」「辛み」のバランスが優れた仕上がりになるのが特徴で、高級酒を造る為の酒米として欠かせない品種となっています。

その他には「五百万石(ごひゃくまんごく)」「美山錦(みやまにしき)」「雄町(おまち)」等が優良な酒米として高級酒にもよく使用されています。

酒米を磨いて雑味を極限まで取り除く「精米」

米の表層部には、たんぱく質、脂肪、灰分、ビタミンなどが含まれており、これらの成分が雑味となる為、表層部を磨き落とす作業をします。
これを「精米」といい、どれだけ磨き落としたかを「精米歩合」で表します。例えば精米歩合60%であれば表面を40%磨き落としている事になり、この数値が低い程、高価になります。

普通の日本酒であれば70%前後が一般的ですが、50%~40%で高級酒、30%であれば超高級酒と言えるでしょう。

もろみの「絞り方」

お米を発酵させて出来上がった「モロミ」はドロドロの状態で、これを絞る事で皆さんの知るサラサラの日本酒になります。
絞り方にはいくつもの方法がありますが、無理な圧力をかけずに優しく絞られた日本酒は雑味がなく、まろやかなお酒となります。

一般的なお酒は機械による圧搾ですが、高級な日本酒の中には「槽搾り(ふねしぼり)」や「袋吊り(ふくろづり)」と呼ばれる、手間暇をかけた方法で作られている銘柄があります。

《槽搾り》(Funeshibori)

枕程の大きさの木綿の袋にもろみを詰め、それを重ねて、もろみの自重で搾ります。「雫酒」などとも呼ばれます。

《袋吊り》(Fukuroduri)

槽搾りと同じように袋にもろみを詰め、それを紐でつるして搾ります。絞るというより、滴り落ちるお酒を集める方法で「雫しぼり」「雫取り」とも呼ばれ、特に高級なお酒に多い絞り方です。

深い甘味と酸味を生み出す「熟成期間」

日本酒にもワインやウイスキー同様に長く熟成されたものほど高級とされる「古酒」や「長期熟成酒」があります。

熟成酒は明治初期までは一般に広く楽しまれていました。しかし「造石税」と言われる「酒が搾られた時点でその量に応じて掛けられる税法」が制定され、既に重い税がかかっているお酒が熟成に失敗したり、樽から漏れ、販売できなくなってしまうリスクを懸念し、長期熟成酒は生産されなくなってしまったのです。

近年のお肉やお魚の熟成ブームと共に、長期熟成された日本酒が再び注目を集めるようになりました。
とろみのある、深い甘味と酸味が特徴で、肉料理などの脂の多い料理や、味の濃い料理にとてもよく合います。

日本酒好きなら一度は飲んでみたい、高級日本酒銘柄

菊理媛(くくりひめ)

出典:菊姫合資会社[https://www.kikuhime.co.jp/products/菊理媛/]

原料米:山田錦 (兵庫県産特A地区)
精米歩合:50%以下(製造年度による)
酒母:速醸
熟成年数:10年以上
アルコール度:17度
味わい:熟成タイプ
製造元:菊姫合資会社(石川県)

400年以上の歴史を持つ蔵元が造る、年に数回しか出荷されない希少な日本酒。
1,800mlで50,000円以上で販売されています。

永い歳月によって磨き上げられた、カラメルや黒糖を連想する甘く芳醇な香りとなめらかな口当たり、奥深いコクがあります。
長期の熟成によって醸される、複雑で豊かな風味が感じられるでしょう。

製造元サイトより引用:菊姫合資会社

紀土 無量山 純米大吟醸

原料米:山田錦 (兵庫県産特A地区)
精米歩合:20%
特定名称酒:純米大吟醸
アルコール度:15度
製造元:平和酒造(和歌山県)

山田錦の中でもランクの高い兵庫県産特A地区の酒米を20%まで磨き、丁寧に造りあげられた超高級酒。
発売本数は50本のみで、720mlが13万円ほどで販売されています。
味わいは辛口、淡麗で香りが強いのが特徴です。

能代 朱金泥 醸蒸多知(のしろ しゅこんでい かむたち)

原料米:山田錦 (兵庫県産特A地区)
精米歩合:33%
特定名称酒:大吟醸
アルコール度:17.5度
熟成:低温3年熟成酒
製造元:喜久水酒造(秋田県)

年間11℃に保たれたレンガ造りのトンネル地下貯蔵庫でじっくりと低温熟成させた、1,800mlで11万円ほどする超高級酒。
この貯蔵トンネルは、明治時代のトンネル技術や様式を知る上で重要なものであり、国の有形文化財に指定されています。

秋になり地上に実を残したまま、神は身を隠した。
翌春を待たずに、生命をよみがえらせる酒の神が来たりて、醸されし大吟醸は、酒袋よりしたたり落ちて、輝く酒の精は黄金の小川となって集まってくる。酒の神「醸蒸多知」の逸品です。

製造元サイトより引用:喜久水酒造合資会社

十四代 七垂二十貫(じゅうよんだい しちたれにじっかん)

原料米:愛山(兵庫県特A地区吉川町産)
精米歩合:40%
特定名称酒:純米大吟醸
アルコール度:16度
熟成:低温3年熟成酒
製造元:高木酒造(山形県)

幻の日本酒と呼ばれる「十四代」。プレミア日本酒といえばこの銘柄を挙げる人も多い、有名な銘柄です。
この「十四代」には20をこえる様々な種類があります。この七垂二十貫(しちたれにじっかん)という名前には「20貫(約75㎏)のお米から7垂(滴)ほどしか造る事ができない貴重なお酒」という意味があり、毎年7月と10月の年2回のみ発売されています。
市場ではその希少価値から定価の10倍以上の、おおよそ11万~14万円(1,800ml)ほどの高い価格で売られています。

山形県で生産されているお酒で芳醇で口あたりの優しい甘口の日本酒です。

高級酒となる背景を知り、楽しもう

1升(1800ml)で10万円のお酒であれば1勺(18ml)の小さなお猪口1杯でも1000円にもなる高級酒。日本酒好きでなくても一体どんな味わいなのか、気になるのではないでしょうか。

一言で「高級酒」と言っても高級となる背景は様々です。是非、そのお酒の持つプロフィールを知り、楽しんでください。

※本記事に掲載されている内容や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認ください。
また、内容に関する修正のご依頼はこちらよりお願いいたします。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次